Claude Codeをローカルモデルで動かす。Anthropic互換APIの現在地と限界
Claude Codeのバックエンドを、ローカルモデルに差し替えられる時代になりました。2026年の接続方法は公式にサポートされており、環境変数の向き先を変えるだけでClaude CodeがローカルのAnthropic互換APIと通信します。本記事では3つの接続方法の設定手順と、「何が動いて、どこで苦しいのか」という実用性の現在地を整理します。
この記事の要点
- Ollama v0.14.0以降がAnthropic Messages APIに正式対応し、プロキシなしでClaude Codeを接続できます。
ANTHROPIC_BASE_URLを向けるだけです- LM Studioも0.4.1でAnthropic互換の
/v1/messagesを提供しています。SSEストリーミングとtool useに対応します- 前提はtool callingに強いモデル(gpt-oss:20b・Qwen3-Coder系)で、コンテキスト長は32K以上が目安です(LM Studio公式は最低25Kトークンを推奨)
- 単発のコード生成・小さな編集は動きやすい一方、多段の自律タスクは苦しく、実用の入口は32B級のコーディング特化モデルが目安です
- クラウドClaude Codeの置き換えではなく、「外に出せないコードのための選択肢」として使い分けるのが現実解です
なぜClaude CodeをローカルLLMで動かしたいのか
Claude CodeはクラウドのClaudeを使うのが基本ですが、モデルをローカルに向けたい動機があります。
- コードを外に出せない: 機密性の高い受託案件・社内システムのコード
- API費用・レート制限: 大量に使うとコストが積み上がる
- オフライン: ネットワークのない環境での開発
前提として、この構成はClaude Code本体はそのままに、モデルの呼び出し先をローカルのAnthropic互換APIに向けるものです。Claude Codeを別のツールに置き換えるわけではありません。
Claude Codeをローカルモデルに接続する3つの方法
2026年7月時点の接続経路は3つあります。まず全体像を表にまとめます。
| 経路 | 対応状況 | 接続先 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Ollama | v0.14.0以降でAnthropic Messages APIに正式対応 | http://localhost:11434 | プロキシ不要で最も手軽 |
| LM Studio | 0.4.1でAnthropic互換の/v1/messagesを提供 | http://localhost:1234 | SSEストリーミングとtool useに対応 |
| Claude Code Router | OSSプロキシ | 任意のOpenAI互換エンドポイント | リクエスト種別ごとにモデルを振り分け可能 |
接続方法1: OllamaのAnthropic互換API(公式サポート)
最も手軽なのがOllamaです。Ollama v0.14.0以降がAnthropic Messages APIに正式対応し、プロキシなしでClaude Codeを接続できます(Ollama公式ブログ)。
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=ollama
export ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:11434
claude --model gpt-oss:20b
APIキーは必須ですが検証されないため、ollamaなど任意の文字列でかまいません。使うモデルは、tool callingに強いモデルが前提です。公式もgpt-oss:20bやqwen3-coderを推奨しており、コンテキスト長は32K以上が目安です。なぜtool callingが要るのかは『ローカルLLMのtool calling。エージェント実用の鍵はモデル選び』で解説しています。
接続方法2: LM Studio
LM Studioも0.4.1でAnthropic互換の/v1/messagesを提供しています(LM Studio公式ブログ)。SSEストリーミングとtool useに対応します。
export ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:1234
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=lmstudio
LM Studio公式は、Claude Codeのセッションに最低25Kトークンのコンテキストを推奨しています。システムプロンプトとツール定義がコンテキストを消費するためです。
接続方法3: Claude Code Router(任意プロバイダ)
より柔軟に構成するなら、Claude Code RouterというOSSプロキシがあります。Anthropic形式のリクエストを各プロバイダ形式に変換し、Ollama・OpenRouter・DeepSeekなど任意のOpenAI互換エンドポイントに振り分けられます。
特徴的なのは、リクエスト種別ごとにモデルを割り当てられる点です。重い設計判断はクラウドのClaude、軽い背景処理(background)は小型のローカルモデル、といった振り分けでコストを下げられます。
実用性の現在地: 何が動いて、どこで苦しいか
接続できることと、快適に使えることは別の問題です。ローカルモデルでの実用性は、モデルのtool calling精度とコンテキスト規模に強く依存します。一般的な傾向を表にまとめます。
| 作業の種類 | ローカルモデルでの実用性 |
|---|---|
| 単発のコード生成・説明・小さな編集(1ファイルで完結する作業) | 動きやすい |
| ファイル探索→編集→テスト→修正を繰り返す多段の自律タスク | 苦しくなりやすい。tool呼び出しの精度が落ちると途中でループが破綻する |
実用の入口としては、32B級のコーディング特化モデル(Qwen3-Coder系)あたりが目安になります。
重要なのは、この実用性が使うモデル・マシン・タスクで大きく変わることです。マシン側の性能がどう効くかというスペックの読み方は『ローカルLLMの速度はメモリ帯域で決まる。スペック表の正しい読み方』で解説しています。採用判断は、自分の実際の開発タスクで試すのが確実です。「クラウドのClaude Codeを完全に置き換えられる」と過大な期待をせず、自分のユースケースで検証してください。
クラウドClaudeとローカルモデルの現実的な使い分け
作業の性質で使い分けるのが現実解です。
| 作業 | 向くもの |
|---|---|
| 機密コード・定型作業・オフライン | ローカルモデル |
| 設計判断・大規模リファクタ・難しいデバッグ | クラウドClaude |
この二層構造は、コーディングでも他の業務と同じです。ローカルは「外に出せないコードのための選択肢」であって、クラウドClaudeの上位互換ではありません。
チームに導入する場合は、個人の環境差やモデル管理の運用コストも見込む必要があります。個人の試用から共有の推論基盤へ発展させる際の考え方は『試作はOllama、本番はvLLM。乗り換えのタイミングと20倍の性能差』が参考になります。
導入前チェックリスト
Claude Codeをローカルモデルに向ける前に、次の項目を確認してください。
- 対象に「外に出せないコード」(機密案件・社内システム)があるか、動機を確認した
- 使うモデルがtool callingに強いことを確認した(gpt-oss:20b・Qwen3-Coder系など)
- コンテキスト長を32K以上に設定した(LM Studioでは最低25Kトークン推奨)
- 単発タスクと多段の自律タスクの両方を、自分の実際の開発タスクで検証した
- クラウドClaudeとの使い分け基準(どの作業をローカルに寄せるか)を決めた
- チーム導入の場合、個人の環境差とモデル管理の運用コストを見込んだ
まとめ
- Claude Code本体はそのままに、モデルの呼び出し先をローカルのAnthropic互換APIに向ける構成です
- 接続はOllama v0.14以降(公式サポート)・LM Studio 0.4.1・Claude Code Routerの3経路で、
ANTHROPIC_BASE_URLを向けるだけです - 前提はtool callingに強いモデル(gpt-oss:20b・Qwen3-Coder系)と、コンテキスト長32K以上です
- 実用性はモデル・マシン・タスクに依存します。単発の作業は動き、多段の自律タスクは苦しいのが現在地です
- クラウドの置き換えではなく、「外に出せないコードのための使い分け」として位置づけるのが現実解です
よくある質問
Q. Claude CodeはローカルLLMで動かせますか?
動かせます。Claude Code本体はそのままに、環境変数ANTHROPIC_BASE_URLをローカルのAnthropic互換APIに向ける構成です。2026年7月時点の接続経路は、Ollama(v0.14.0以降で公式サポート)・LM Studio(0.4.1でAnthropic互換の/v1/messagesを提供)・Claude Code Router(OSSプロキシ)の3つです。
Q. Claude CodeをOllamaに接続する設定方法は?
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=ollamaとANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:11434を設定し、claude --model gpt-oss:20bのようにモデルを指定して起動します。APIキーは必須ですが検証されないため、任意の文字列でかまいません。Ollama v0.14.0以降がAnthropic Messages APIに正式対応しており、プロキシは不要です。
Q. Claude Codeのローカル実行にはどのモデルが良いですか?
tool callingに強いモデルが前提です。公式はgpt-oss:20bやqwen3-coderを推奨しており、実用の入口は32B級のコーディング特化モデル(Qwen3-Coder系)が目安です。モデルのtool calling性能の見極め方は『ローカルLLMのtool calling』、VRAM別のモデル候補は『日本語で使えるローカルLLMおすすめ2026』で解説しています。
Q. Claude Codeをローカルモデルで使うにはコンテキスト長はどれくらい必要ですか?
32K以上が目安です。LM Studio公式は、Claude Codeのセッションに最低25Kトークンのコンテキストを推奨しています。Claude Codeはシステムプロンプトとツール定義だけでコンテキストを消費するため、短いコンテキスト設定では実用になりません。
Q. ローカルモデルでクラウドのClaude Codeを完全に置き換えられますか?
置き換えは現実的ではありません。単発のコード生成・説明・小さな編集は動きやすい一方、ファイル探索→編集→テスト→修正を繰り返す多段の自律タスクでは、tool呼び出しの精度が落ちるとループが破綻しやすくなります。機密コード・定型作業・オフラインはローカル、設計判断・大規模リファクタ・難しいデバッグはクラウドClaudeという使い分けが現実解です。
Q. Claude Codeをローカルで動かすにはどんなPCが必要ですか?
使うモデルの規模で決まります。実用の入口とされる32B級のコーディング特化モデルを動かせるマシンがひとつの目安です。予算別にどのクラスのモデルが動くかは『予算別ローカルLLM PC 2026』、MacとRTXのどちらを選ぶかは『ローカルLLMはMacかRTXか』で解説しています。
Q. Claude Code Routerとは何ですか?
Anthropic形式のリクエストを各プロバイダ形式に変換するOSSプロキシです。Ollama・OpenRouter・DeepSeekなど任意のOpenAI互換エンドポイントにClaude Codeのリクエストを振り分けられます。リクエスト種別ごとにモデルを割り当てられるため、重い設計判断はクラウドClaude、軽い背景処理は小型ローカルモデルという構成でコストを下げられます。
主な参考資料: Ollama Anthropic互換API(公式ブログ)、LM Studio + Claude Code(公式)、Claude Code Router(GitHub)
TodoONada株式会社では、開発環境へのローカルLLM導入・検証を支援しています。「Claude Codeをローカルモデルで使えるか試したい」という段階のご相談も歓迎です。詳しくはローカルLLM導入支援をご覧ください。
この記事に関連するサービス
TodoONada株式会社では、機密データを外部に出さないローカルLLMの導入支援を行っています。
- ローカルLLM導入支援 — GPUサーバーでの本格構成。モデル選定からRAG構築・運用まで
- Macで始める社内専用AI導入支援 — Mac 1台から始める社内専用AI。PoCから部門導入まで対応
導入・開発のご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。検討段階のご相談も歓迎です。
出典・参照
- Ollama公式ブログ (2026年7月24日確認)
- LM Studio公式ブログ (2026年7月24日確認)
- Claude Code Router (2026年7月24日確認)