システム開発の見積もりの読み方。実案件24件の費用データつきで解説
システム開発の見積もりを受け取ったとき、「この金額が高いのか安いのか判断できない」という発注担当者は多いはずです。相見積もりを取っても、各社の前提がバラバラで比較にならないこともよくあります。
この記事では、当社(TodoONada株式会社)が実際に受託した開発案件のうち、費用を公開している24案件の実データをもとに、見積もりの構成要素と読み方を発注者の視点で解説します。
※各案件の費用・期間は開発実績ページで公開している概算値です。
まず相場観。実案件24件は3つの価格帯に分かれる
| 価格帯 | できること(実例) | 期間 | 体制 |
|---|---|---|---|
| 〜100万円 | パッケージ活用のMVP、単機能の業務アプリ、顔認証PoC、インフラ構築 | 1週間〜2ヶ月 | 1〜2名 |
| 150〜350万円 | 決済つき会員制サービス、既存システムへのAI組み込み、3Dセキュア対応、フレームワーク移行 | 1〜6ヶ月 | 2〜3名 |
| 400万円〜 | 複数機能の新規サービス(動画配信+LINE連携等)、AI業務基盤(収集〜分析〜通知) | 3〜6ヶ月 | 3〜4名 |
価格帯別の詳細は、100万円でどこまでできるかの記事、マッチングアプリの費用相場、AI導入費用の実例でそれぞれ実案件つきで解説しています。
見積もりの構造: 金額は「体制 × 期間」でできている
システム開発の見積もりは、突き詰めると 「何名が何ヶ月関わるか(人月)× 単価」 です。当社の実案件24件では、体制は次のパターンに集約されます。
- 1名体制(〜100万円帯): 小規模案件。1人が設計から実装まで担当
- 2名体制・PM兼エンジニア(150〜350万円帯): もっとも多いパターン。管理専任者を置かないことで、同じ予算を実装に集中できる
- 3〜4名体制・PM専任(400万円〜): 複数機能の並行開発や、AIエンジニアなど専門役割が必要な案件
見積もりを受け取ったら、まず金額ではなく体制表を見ることをおすすめします。「PM専任+エンジニア3名で3ヶ月」なのか「PM兼任2名で2ヶ月」なのかで、同じ機能でも金額は倍近く変わります。自社の案件規模に対して体制が過剰でないかが、最初のチェックポイントです。
発注前に確認すべき5つのポイント
1. スコープの境界はどこか
「管理画面は含まれるか」「データ移行は誰がやるか」「デザインは含むか」。見積もり金額の差の大半は、金額ではなく含まれる範囲の差です。相見積もりを比べる際は、金額の前に範囲を揃えてください。
2. 何が「別途見積もり」になっているか
本体が安く見えても、保守費・サーバー費・追加改修の単価が高ければ総額は逆転します。特に**月々のランニングコスト(サーバー利用料・API利用料・保守費)**は必ず確認してください。当社の実案件では、立ち上げ期のサービスにサーバーレス構成(Vercel + Supabase等)を使い、月数千円程度に抑えるのが定石です。
3. パッケージ・既製品を使う前提か、フルスクラッチか
同じマッチングサービスでも、フルスクラッチなら500万円超、パッケージ活用なら約100万円からと、前提次第で数倍の差が出ます。「なぜこの金額なのか」の説明に、共通機能をどう賄うかの方針が含まれているかを見てください。
4. 概算か、確定見積もりか
要件が固まる前の見積もりは概算です。誠実な会社ほど「この段階では±30%の幅があります」と言います。逆に、要件が曖昧なまま確定金額を出してくる場合、後から「仕様変更」として追加請求される構造になっていないか注意が必要です。
5. 実績と地続きか
見積もりの妥当性をもっとも簡単に検証する方法は、その会社が公開している類似実績の費用と比べることです。当社が実績の費用・期間・体制を公開しているのは、この検証をしてもらうためです。
見積もりを安くする、正しい方法
値切り交渉よりも効果的な方法が3つあります。
- フェーズを分ける — 全機能を一括発注せず、検証に必要な最小構成(MVP)から始める。
- 課題を1文に絞る — 「あれもこれも」を削るほど、体制が小さくなり総額が下がる。
- 既製品で済む部分を認める — こだわりが薄い部分にパッケージやSaaSを使う判断を発注側がすること。
まとめ
- 実案件24件の相場は 〜100万 / 150〜350万 / 400万〜 の3帯
- 見積もりは金額より先に体制と期間を見る。金額の差の大半はスコープの差
- ランニングコストと「別途」の中身を必ず確認する
- 妥当性の検証には、その会社の公開実績と見比べるのが最短
当社は費用・期間・体制を含む開発実績を公開しています(開発実績一覧)。お手元の見積もりが妥当か知りたい、という段階のご相談でも構いません。お問い合わせからどうぞ。