LINEのブロック率は何%なら問題か。指標の定義と改善の進め方
「ブロック率が30%なので悪いのか」と聞かれたら、最初に確認するのは計算式と対象期間です。累計の友だち数に対するブロック数と、今月追加した人が今月ブロックした割合では意味が異なります。20〜30%なら正常、40%なら危険という共通基準では判断しません。
本記事は2026年9月8日の公式分析マニュアルを確認し、数値の読み違いを避ける方法と改善の進め方をまとめています。計算例は架空の値で、業界平均や当社の運用実績ではありません。
ダッシュボードの「数」と社内の「率」を分ける
LINE Official Account Managerの友だち分析では、友だち追加、ターゲットリーチ、ブロックなどを確認できます。社内で「ブロック率」という指標を作る場合は、表示項目名、集計時点、分母と分子をセットで記録します。友だち分析の公式マニュアル
| 社内で比較したいこと | 計算・集計の考え方 | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|
| ある時点の状態 | 同じ時点・定義の友だち数とブロック数を比較 | 最近の配信だけの結果ではない |
| 今月の増減 | 今月の追加数とブロック数を並べる | ブロックした人が今月追加の人とは限らない |
| 新規追加者の継続 | 同じ追加集団を一定期間追跡する | 標準集計だけで個人単位の追跡ができるとは限らない |
| 追加経路の比較 | 同じ期間・表示条件の経路別数値を比較 | 少人数の非表示や期間外の扱いがある |
「累計追加1,000、同じ集計のブロック300」を使って300÷1,000=30%と計算した場合、これはその定義での状態を表します。「今月獲得した人の30%が離れた」という意味にはなりません。
今月の追加数で今月の全ブロックを割らない
架空の例として、今月100人が友だち追加し、その100人のうち10人がブロックしたとします。同時に、以前からの友だち20人もブロックしたなら、今月のブロックは合計30人です。
30÷100=30%を「新規の離脱率」と呼ぶと、過去に追加した20人まで新規集団へ混ぜることになります。この例で新規集団の割合を求められるのは、対象集団と10人の対応が確認できている場合に限られます。実際の標準画面からその対応関係が取得できるとは限りません。
公式の追加経路分析にも、表示されるブロック数は選択期間内のブロック数であり、同じ期間の新規追加者だけのブロック数ではないという説明があります。比較前にこの違いを確認してください。追加経路の集計条件
追加経路のデータは、少人数の差を過大評価しない
経路別分析には期間と表示条件があり、少ない値がそのまま表示されない場合があります。たとえば店頭QRコードと広告の一日分を比べ、「0なので優秀」「数人増えたので失敗」と評価するのは早計です。
まずは経路名を揃え、実施期間と特典、対象地域、案内文を記録します。条件の違いが大きい経路を一つの順位表にするより、同じ目的の施策を同じ期間で比較する方が、次の変更を決めやすくなります。
| 記録する項目 | 改善判断に使う理由 |
|---|---|
| 追加時の説明 | 期待した情報と実際の配信が一致しているかを見る |
| 特典の条件 | 特典取得後だけの利用を想定していたか確認する |
| 配信の目的と頻度 | 販促と業務連絡が重なっていないか確認する |
| 対象者の選び方 | 興味のない店舗・商品を広く送りすぎていないか見る |
| 問い合わせや予約の完了 | 友だち数以外の事業上の結果を見る |
改善は「配信を減らす」以外にもある
受信者が不要と感じる原因を、頻度だけに決めつけないようにします。友だち追加時は予約確認を案内していたのに、後から無関係な宣伝が中心になると、期待がずれます。ガイドラインでも利用者に不快・迷惑と思われる内容の配信などが禁止されています。公式ガイドライン
設計案としては、追加時に送る情報を説明する、店舗や関心の選択肢を設ける、申込済みの人を同じ募集から除く、担当者の返信を待っている間に販促を重ねない、といった改善が考えられます。
標準機能にも複数種類のオーディエンスがあります。ただし、対象数や条件によって利用できない場合があるため、細かく分ければ必ず配信できるわけではありません。オーディエンスの公式マニュアル
一律に「週1回まで」と決めるより、顧客が受け取る合計回数を確認します。通常配信が週1回でも、同じ週にステップ配信と複数店舗の案内が重なる場合があります。
実務例:特典より、追加後の案内を見直す
架空の教室で、体験申込の友だち追加特典を実施したとします。友だちは増えたものの、体験日までにブロックの増加が見られました。ここで「特典目当てだから仕方ない」と結論づけず、実際の配信を並べます。
確認すると、申込完了後も未申込者向けの募集が届き、体験会場の案内は見つけにくい状態でした。改善案は、申込済みの状態を反映して募集を除外し、会場と持ち物を確認しやすくすることです。変更後は同じ定義のブロック指標と、会場案内への到達、体験参加を併せて確認します。
配信直後にブロックが増えても、原因をその一通だけと断定はできません。期間、追加経路、他の配信、休業や季節要因も記録して、改善仮説として扱います。
獲得費用をブロック率だけで「損失」に換算しない
広告費10万円に累計ブロック率30%を掛けて「3万円の損失」とする計算では、広告で獲得した集団とブロックした集団が一致していません。ブロック前に購入や予約を完了していた人も考慮されていません。
費用を評価するなら、その広告から何件の目的行動が確認できたか、どの期間の費用と成果を対応させたかを示します。また、Messaging APIではブロック等で送信されなかったメッセージは通数のカウント対象外です。獲得費、配信費、成果の評価は分けます。公式の通数カウント
報告前の確認表
| 確認項目 | 報告に含める内容 |
|---|---|
| 指標の定義 | 画面の項目名、分母、分子、期間 |
| データの制約 | 非表示、推計値、欠測、集計の遅れ |
| 比較可能性 | 追加経路、特典、対象者、季節の違い |
| 変更内容 | 文言・頻度・対象のうち何を変えたか |
| 事業上の結果 | 予約や問い合わせ完了など、今回の目的 |
| 次の判断 | 継続、追加検証、対象や内容の見直し |
数値が下がることだけを成功条件にせず、必要な案内を受け取れる人が増えたかまで確認すると、配信担当と事業担当が同じ目的で改善を進められます。
よくある質問
ブロック率20〜30%なら普通ですか?
業種、追加経路、運用期間、指標の定義が異なるため、その数値だけで正常とは判断できません。まず同じ定義で自社の推移を確認し、配信目的や予約・購入などの結果と合わせて評価します。
今月のブロック数を今月の追加数で割ってよいですか?
計算自体はできますが、新規追加者の離脱率とは呼べません。今月ブロックした人には過去に追加した人も含まれ得るため、分母と分子の対象が一致しているか確認します。
ブロックを減らすには週1回以内にすべきですか?
一律の頻度を基準にせず、受信者が期待する情報と、ステップ配信や店舗配信を含む合計回数を確認します。申込済みの人への募集を除くなど、対象の見直しも候補になります。
広告費にブロック率を掛けると損失が分かりますか?
累計のブロック率では、広告で獲得した集団や成果と対応しないため、損失を直接計算できません。広告費と同じ対象・期間で確認できる予約や購入などの結果を使って評価します。
この記事に関連するサービス
ブロックや配信数の集計を整理し、会員状態・予約状態に合わせた配信改善を検討する方は、LINEアプリ開発のサービスをご覧ください。
出典・参照
- LINEヤフー — 分析:友だち (2026年9月8日確認)
- LINEヤフー — オーディエンス (2026年9月8日確認)
- LINE Developers — Messaging APIの料金 (2026年9月8日確認)
- LINE公式アカウントガイドライン (2026年9月8日確認)