Messaging APIの2025〜2026年変更点。運用への影響と対応確認表

Messaging APIの2025〜2026年変更点。運用への影響と対応確認表

Messaging APIの変更対応では、ニュースを読むだけでなく、自社が使うエンドポイント、配信処理、管理画面へ対応づけます。新機能は利用を検討する対象ですが、レート制限やサービス終了は、既存処理を見直すきっかけになります。

この記事は2026年9月8日を確認時点として、2025〜2026年の主要な変更を選び、運用上の確認に使える形へ整理しています。すべての更新を網羅する年表ではありません。以下の対応案は、個別システムで修正・動作確認を完了したという報告ではありません。

実施済みの変更と、今後の予定を分ける

実施日・予定日対象主な変更自社で確認すること
2025年3月31日LINE Notifyサービス終了旧通知処理と代替通知の有無
2025年4月23日マルチキャスト送信レート制限が200リクエスト/秒へ変更一斉処理と再試行の最大送信速度
2025年8月6日クーポンAPIでの作成・送信等の機能追加クーポン運用をAPIへ移す必要性
2025年11月5日既読Messaging APIで既読を付ける機能追加顧客へ示す既読と実対応の関係
2026年1月21日Webトラフィックオーディエンス計測タグにも対応現在利用するタグと共有設定
2026年5月26日リッチメニュー一覧取得レート制限が10リクエスト/秒へ変更頻繁な一覧取得や複数ジョブの競合
2026年7月1日リッチメニューAPI作成メニューの統計取得を追加作成方法、取得項目、分析の保存先
2026年10月1日予定日本の公式アカウント追加メッセージ料金を改定10月以降の通数・費用・上限設定

Notifyの終了はMessaging APIの廃止ではありません。また、LINE公式アカウントの料金変更と、APIの機能変更も分けて管理します。対象サービスを誤ると、不要な改修を見積もったり、必要な契約確認が漏れたりします。

レート制限は「メッセージ通数」と別に確認する

マルチキャスト送信の制限は、2025年4月23日に2,000から200リクエスト/秒へ変更されました。一人への送信にはPushが推奨されています。公式の変更案内

リッチメニュー一覧取得も、2026年5月26日に2,000から10リクエスト/秒へ変更されています。公式の変更実施案内

これらは一定時間内に呼び出せるAPIリクエストの制限です。月間に配信できる通数とは別なので、「今月の通数が余っているから送れる」とは判断できません。現在の上限と適用範囲はMessaging APIリファレンスでも確認します。

設計上は、通常の処理と再試行を合わせた送信速度を制御します。夜間バッチ、管理画面、外部ツールが同じチャネルを利用している場合、各処理が単独で上限以下でも、合計で集中する可能性があります。処理担当ごとに余裕を見込むか、共通の待ち行列で管理するなどの方針を決めます。

クーポンと既読は、機能追加後の運用を決める

2025年8月6日には、APIによるクーポン作成・終了・情報取得・送信等が追加されました。クーポンAPIの公式案内

自社会員の状態に応じてクーポンを扱う場合も、発行条件、期限、取消時の扱い、問い合わせ先を決める必要があります。APIが追加されたことを、既存の顧客DBと自動で連携されることとは見なしません。

2025年11月5日には、Messaging APIでユーザーのメッセージへ既読を付ける機能が追加されました。既読機能の公式案内

既読を付けるタイミングは、業務上の意味と合わせます。受信サーバーが受け取っただけで既読を付けるなら、担当者が内容を確認済みという意味ではないことを運用側で認識します。受付済み、担当決定、対応完了の状態は、別に管理する設計が適しています。

2026年の分析関連変更を、取得可能な範囲で使う

2026年1月21日のWebトラフィックオーディエンスの変更は、既存のLINE Tagに加えて計測タグも利用できるようになったものです。Web訪問者向け機能そのものが、この日に初めて登場したわけではありません。計測タグ対応の公式案内

既存の計測を使う場合は、作成元の組織、対象サイト、タグの共有状態、利用目的を確認します。タグの設置を増やすだけでは、送信対象や対象者の重複を正しく管理できません。詳しい導入手順の考え方はWebトラフィックオーディエンスの記事で扱っています。

2026年7月1日には、Messaging APIで作ったリッチメニューの表示・クリック統計を取得する機能が追加されました。管理画面で作ったメニューの統計が以前からあることと区別します。リッチメニュー統計の公式案内

分析画面を作る際は、作成ツール別の取得先や少人数の制約を確認します。「統計APIができたので、過去の全メニューを個人単位で追える」という設計にはしません。

2026年10月の追加料金改定は、将来の見積へ反映する

日本のLINE公式アカウントでは、2026年10月1日に追加メッセージ料金の改定が予定されています。2026年9月8日時点では将来の変更であり、現在の配信実績へ新料金を混ぜて集計しません。公式の料金改定案内

確認するのは単価だけではありません。10月以降の通常配信、ステップ配信、個別通知、臨時の案内を積み上げ、追加メッセージの上限設定と予算が合うかを見ます。複数アカウントがある場合は、対象国・地域と契約をアカウントごとに確認します。

見積書には適用月を記載すると、制作期間中に料金が変わっても比較しやすくなります。開発費や保守費と、プラットフォームの配信費は別項目にします。

実務例:古い配信バッチを点検する

架空の運用チームで、以前作ったバッチが一人ずつマルチキャストを呼び出し、失敗時に即座に何度も再試行する構成だったとします。少量の平常時には目立たなくても、対象者や再試行が増えると制限に達する可能性があります。

点検では、使用API、最大同時実行数、通常時と障害時のリクエスト数を記録します。そのうえで、用途に合うAPI、送信速度、待機と再試行の方針を変更案としてまとめます。修正後の検証は、実際の送信対象を限定した計画と、負荷をかけず確認できる試験を分けて行います。

「最新SDKへ更新した」という作業だけでは、既存の呼び出し方が新しい条件に合うかは分かりません。APIの利用実態まで確認して完了とします。

保守台帳に残す受入確認表

項目完了とする証拠
影響範囲対象APIを呼ぶコード・ジョブ・外部ツールの一覧
現行条件公式の確認日と現在の制限・提供条件
実施日発表日、変更実施日、今後の適用予定の区別
改修変更した処理とレビュー結果
検証制限超過、再試行、停止・再開の確認結果
分析欠測・取得対象・集計期間を扱う画面の確認
費用適用月を含む配信計画と上限設定の確認
未対応対象外の根拠、未確認の担当者と期限

未使用なら「対象外」とその根拠を残し、調べていないものは「未確認」とします。ニュースを読んだことと、システムの対応完了を分けることで、次回の点検も進めやすくなります。

よくある質問

この記事には2025〜2026年の全変更が載っていますか?

主要な運用影響のある変更を選んだ記事です。全更新の一覧ではないため、自社で使うAPIや機能について、公式ニュースと現在のリファレンスを継続して確認します。

レート制限は月間の配信通数と同じですか?

別です。レート制限は一定時間内のAPIリクエスト数に関する条件で、月間通数が余っていても超過する場合があります。通常処理と再試行、同じチャネルの他の処理を合わせて確認します。

Webトラフィックオーディエンスは2026年に新設されましたか?

2026年1月21日の変更は、既存のLINE Tagに加えて計測タグを使えるようになったことです。Webトラフィックオーディエンスそのものの新設とは区別します。

2026年10月の料金を現在の実績に使いますか?

2026年9月8日時点では将来の改定予定なので、現在の実績と10月以降の見積を分けます。対象国・地域、適用月、追加通数と上限設定を確認します。

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出典・参照

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