法人向け生成AIプラン比較2026。ChatGPT Business・Enterprise、Claude Team・Enterprise、Microsoft Copilot、Geminiの料金・学習利用・管理機能

法人向け生成AIプラン比較2026。ChatGPT Business・Enterprise、Claude Team・Enterprise、Microsoft Copilot、Geminiの料金・学習利用・管理機能

社員が私用のChatGPTやClaudeで仕事をしている状態(シャドーAI)を解消するいちばん確実な方法は、会社として法人プランを契約し、公式に使える環境を配ることです。ところが比較を始めると、ChatGPTはTeamがBusinessに改称され、ClaudeのEnterpriseは席料と利用料の二本立てになり、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」を「Microsoft Copilot」に改称するなど、半年前の比較記事がそのまま使えない状態になっています。

本記事では、ChatGPT Business/Enterprise、Claude Team/Enterprise、Microsoft Copilot、Gemini for Google Workspaceの4系統を、料金と席数、学習利用、データの保持と保存場所、管理機能の4つの観点で比較します。数値はすべて2026年10月5日に各社の公式ページで確認した値です。料金と条件は頻繁に変わるため、契約前には必ず各社の最新ページを確認してください。公式ページで確認できなかった項目は「確認できず」と明記しています。

この記事の要点

  • 4系統とも、法人プランでは入力を既定でモデルの学習に使わないと公式に明記しています。違いが出るのは、料金の構造、管理機能(SCIM・監査ログ・保持期間の設定)、データの保存場所です
  • 既存のID基盤で第一候補が決まります。Microsoft 365中心ならMicrosoft Copilot、Google Workspace中心ならGemini(多くのプランで追加料金なしで同梱)、どちらにも寄らない文書作成・分析中心ならChatGPTかClaudeです
  • ChatGPT BusinessとClaude Teamはどちらも2席から自分で契約でき、標準席は年払いで月20ドルです。SCIM、監査ログ、保持期間の細かな設定が必要になったらEnterpriseを検討します
  • Claude Enterpriseは席料が年払いで月20ドル(20席から)と安く見えますが、利用量はAPI料金で別に請求されます。ChatGPT Enterpriseは料金非公開で営業経由です
  • 日本でのデータ保存(データレジデンシー)を公式に案内しているのは、ChatGPT Enterpriseと、Microsoft Copilotの追加オプション(Advanced Data Residency)です。ClaudeとGeminiの日本保存は、確認した範囲の公式ページでは案内がありませんでした

結論:既存のID基盤と規模で第一候補が決まる

最初に結論を示します。4系統の品質差よりも、自社がすでに使っているID基盤と、統制に求める水準のほうが選定への影響は大きくなります。

自社の状況第一候補理由
Microsoft 365(Entra ID)で社員アカウントを管理し、Word・Excel・Teamsが業務の中心Microsoft Copilot既存のライセンスに追加でき、Purviewの保持ポリシー・秘密度ラベル・監査がそのまま効く
Google Workspaceで社員アカウントを管理し、Gmail・ドキュメントが業務の中心Gemini for Google Workspace多くのプランで追加料金なしで同梱。まず手元の契約で使える範囲を確認する
ID基盤に寄らず、文書作成・要約・分析・コード支援を幅広く使いたい(2〜200名程度)ChatGPT Business または Claude Team2席から自分で契約でき、SSOに対応。標準席は年払いで月20ドル
SCIMでの自動プロビジョニング、監査ログ、保持期間の設定、日本でのデータ保存が必要ChatGPT Enterprise/Claude Enterprise/Microsoft Copilot(ADR付き)統制機能はEnterprise側に寄せられている

全社で1つに統一する必要はありません。Microsoft 365中心の会社でも、開発部門や企画部門だけChatGPTやClaudeを追加する構成はよくあります。大切なのは、どの部門にどのツールを配り、どのデータまで入れてよいかを会社として決めることです。

料金と席数の比較(2026年10月5日確認)

各社の公式料金ページで確認した値です。円表示がない製品はドル表示のままとし、為替換算はしていません。

プラン料金(1ユーザー・月)席数・契約申込み
ChatGPT Business(旧Team)標準席 年払い20ドル/月払い25ドル。日本語ページの表示は3,050円から。プレミアム席 年払い100ドル/月払い125ドル(標準の5倍の利用量)2席から。2026年8月24日以降に作成したワークスペースは合計200席まで自分で申込み(クレジットカード)
ChatGPT Enterprise非公開(カスタム料金)公式ページに最低席数の記載なし営業経由。請求書払いは営業と相談
Claude Team標準席 年払い20ドル/月払い25ドル。プレミアム席 年払い100ドル/月払い125ドル(標準の5倍の利用量)。日本語ページもドル表示2〜150席。席種の混在可自分で申込み
Claude Enterprise席料 年払い20ドル。利用量はAPIの標準料金で別途請求自分で申込みは20席から、営業経由は50席から自分で申込み(ドル建て)または営業経由
Microsoft Copilot(Enterprise向け)4,497円(年間契約、税別)公式料金ページに最低席数の記載なしMicrosoft 365の対象ライセンスへの追加
Microsoft Copilot Business(中小向け)追加ライセンス 年払いで月2,698円相当(2026年12月までのプロモーション価格)、月払い3,778円。Business Standardとのセット 3,523円、Business Premiumとのセット 4,797円(いずれも年払い・税別)最大300ユーザーMicrosoft 365 Businessプランへの追加
Gemini for Google WorkspaceWorkspaceの料金に同梱。Business Starter 800円、Standard 1,600円、Plus 2,500円(税別の通常価格。新規向けに最初の20ユーザー・12か月の割引あり)。Enterpriseは要問い合わせWorkspaceの契約に準じるWorkspaceの契約

料金表で見落としやすい点が3つあります。

  • Claude Enterpriseは「席料20ドル」で完結しない。公式の説明では、席料はプラットフォームへのアクセスのみで、利用量は含まれず、すべてAPIの標準料金で請求されます。よく使う部門ほど費用が膨らむため、Teamのプレミアム席(定額)と総額で比べる必要があります
  • Microsoft Copilot Businessの2,698円はプロモーション価格。2026年12月までの価格で、月払いは3,778円です。予算を組む際は期間終了後の価格で試算してください
  • GeminiはStarterでは使える範囲が狭い。Business Starterで使えるのはGmailのGeminiとGeminiアプリでのチャットで、ドキュメントやスプレッドシート内のGeminiはStandard以上です。画像・動画生成などの高度な機能は別の有料オプション(AI拡張アクセス)で、価格は公式ページで確認できませんでした

学習利用・データ保持・保存場所の比較

情報システム部門や法務が最初に確認するのはここです。

項目ChatGPT Business/EnterpriseClaude Team/EnterpriseMicrosoft CopilotGemini for Workspace
入力を学習に使うか既定で使わない(両プラン)。フィードバック等で明示的に共有したデータは除く既定で使わない(商用プラン全般)プロンプト・応答・Graph経由のデータを基盤モデルの学習に使わない許可なくドメイン外のモデル学習に使わない。人によるレビューもしない
保持期間の設定Enterpriseは管理者が設定可。Businessは公式ページの記述が揺れており確認できず。削除した会話は30日以内に消去Enterpriseは管理者が独自の保持期間を設定可(最短30日)。既定は無期限保持Microsoft Purviewの保持ポリシーで管理Vaultによる保持はPlus以上
日本でのデータ保存Enterpriseのみ選択可(保存データ。推論の実行場所はEU・米国・UAEのみで日本は対象外)。Businessは対象外確認した範囲のClaudeアプリ向け公式ページでは案内なし(日本リージョンの記載はAPI・クラウド経由の提供向け)追加オプションAdvanced Data Residencyで日本を選択可。オプションなしでは米国・EU等で処理される場合あり確認した範囲では日本での処理の案内なし。データリージョン設定はEnterprise
第三者認証(公式ページ記載)SOC 2 Type 2は両プラン。ISO 27001等はEnterpriseのみSOC 2 Type I・II、ISO 27001、ISO/IEC 42001Microsoft 365の認証範囲に準じるWorkspaceの認証範囲に準じる

ここで押さえておきたいのは、「学習に使われない」と「社外に送信・保存されない」は別だという点です。法人プランでも、入力は各社のサーバーに送信され、一定期間保存されます。契約や法令で社外送信そのものが禁止されているデータは、どの法人プランでも入れられません。そうしたデータを扱う部門には、社内で完結する閉域のローカルLLMを別に用意する必要があります。各社の個人向けプランとの違いは『生成AIの情報漏洩対策2026』で整理しています。

管理機能の比較:SSO・SCIM・監査ログ

全社展開で効いてくるのが管理機能です。とくにSCIM(人事異動・退職に合わせたアカウントの自動追加・削除)と監査ログは、BusinessやTeamでは提供されていません。

機能ChatGPT BusinessChatGPT EnterpriseClaude TeamClaude Enterprise
SAML SSO○○○○
ドメイン確認・ドメインキャプチャ○○○○
SCIM×○×○
ロールベースの権限管理(RBAC)×○基本的な権限のみ○(細かな設定)
監査ログ・Compliance API×○×○
IP制限公式比較表で確認できず公式比較表で確認できず×○

Microsoft CopilotはEntra IDの認証とロールベースのアクセス制御でテナントを分離し、秘密度ラベル、保持ポリシー、監査をそのまま引き継ぎます。Gemini for Workspaceは、Geminiの操作を記録する監査ログと、既存のDLP(データ損失防止)ルールが生成結果にも適用されます。Microsoft 365やGoogle Workspaceをすでに管理している会社では、新しい管理画面を覚えずに統制を効かせられる点が大きな利点です。

規模別の選び方

2〜20名程度:ChatGPT BusinessかClaude Teamの標準席から始めるのが現実的です。どちらもSSOに対応し、自分で申込めます。この規模ではSCIMや監査ログがなくても、退職時の手動削除と利用ルールで統制を回せます。Microsoft 365 Businessプランを使っているならCopilot Businessも候補です。

20〜200名程度:入退社が多い、取引先からAI利用の監査を求められる、保持期間を決めたい、のいずれかに当てはまるならEnterpriseを検討する規模です。Claude Enterpriseは20席から自分で申し込めますが、利用量がAPI料金で別に請求されるため、Teamのプレミアム席と年間総額で比べてから決めてください。

200名以上:ChatGPT Businessは新規ワークスペースで200席まで、Claude Teamは150席までのため、Enterpriseか、Microsoft Copilot・Geminiでの全社展開が前提になります。日本でのデータ保存が要件なら、ChatGPT EnterpriseかMicrosoft CopilotのAdvanced Data Residencyが候補です。

契約前に確認する8項目

  1. 社員アカウントを管理しているID基盤(Entra ID、Google Workspace、それ以外)
  2. 配る人数と部門、そのうち利用量が多い人の割合(プレミアム席や従量課金の要否)
  3. 入れてよいデータの区分(公開・社内・取引先・個人データ・社外送信不可)
  4. SCIM、監査ログ、保持期間の設定が必要か
  5. 日本でのデータ保存が契約や業界ガイドラインで求められているか
  6. 支払い方法(クレジットカードで足りるか、請求書払いが必要か)
  7. プロモーション価格や為替の影響を除いた、年間の総額
  8. 既存の契約済みSaaSに、すでに同等のAI機能が入っていないか

8番目は見落とされがちです。Microsoft 365やGoogle Workspaceを契約している会社では、追加料金なしで使えるAIチャット(Microsoft Copilot Chat、Geminiアプリ)がすでに社員の手元にあることがあります。新しく契約する前に、手元の契約で使える範囲と、その管理設定を確認してください。

まとめ

  • ChatGPT、Claude、Microsoft Copilot、Geminiの法人プランは、いずれも入力を既定で学習に使わないと公式に明記しています。比較の軸は、料金の構造、管理機能、データの保存場所です
  • 第一候補は既存のID基盤で決まります。Microsoft 365中心ならCopilot、Google Workspace中心ならGemini、それ以外の文書作成・分析中心ならChatGPT BusinessかClaude Teamです
  • ChatGPT BusinessとClaude Teamは2席から、標準席は年払いで月20ドルです。SCIM、監査ログ、保持期間の設定が必要になったらEnterpriseを検討します
  • Claude Enterpriseは席料に加えて利用量がAPI料金で請求され、ChatGPT Enterpriseは料金非公開です。Microsoft Copilot Businessの2,698円は2026年12月までのプロモーション価格です
  • 「学習されない」は「社外に出ない」ではありません。社外送信が禁止されたデータには、閉域のローカルLLMを別に用意します

よくある質問

Q. ChatGPT TeamとChatGPT Businessは違うプランですか?

同じプランです。OpenAIの公式FAQによると、ChatGPT Teamは2025年8月29日にChatGPT Businessへ改称されました。既存の契約と条件はそのまま引き継がれ、請求書の表記がChatGPT Businessに変わっています。

Q. 法人プランなら、入力した内容は学習に使われませんか?

ChatGPT Business・Enterprise、Claude Team・Enterprise、Microsoft Copilot、Gemini for Google Workspaceのいずれも、既定では入力を学習に使わないと公式資料に明記しています(2026年10月5日確認)。ただし学習に使われないことと、社外に送信・保存されないことは別です。保持期間や保存場所はプランによって異なります。

Q. ChatGPT EnterpriseとClaude Enterpriseの料金はいくらですか?

ChatGPT Enterpriseは料金非公開で、営業経由の見積もりです。Claude Enterpriseは席料が年払いで1席月20ドル(20席から)で、これとは別に利用量がAPIの標準料金で請求されます。どちらも総額は利用量と席数で大きく変わるため、見積もりで比較してください。

Q. 中小企業にはどのプランが向いていますか?

2〜20名程度なら、ChatGPT BusinessかClaude Teamの標準席(年払いで1席月20ドル)から始めるのが現実的です。どちらも2席から自分で申込め、SSOにも対応しています。Microsoft 365 Businessプランを使っている会社では、Microsoft Copilot Business(最大300ユーザー)も候補になります。

Q. 日本国内にデータを保存できるプランはありますか?

2026年10月5日時点の公式ページでは、ChatGPT Enterprise(保存データのみ。推論の実行場所に日本は含まれない)と、Microsoft Copilotの追加オプションAdvanced Data Residencyで日本を選べます。ChatGPT Businessは対象外です。Claudeアプリ(Team・Enterprise)とGeminiについては、確認した範囲の公式ページに日本での保存の案内はありませんでした。

Q. Google Workspaceを契約していれば、Geminiは追加料金なしで使えますか?

多くのプランで、Geminiは追加料金なしで同梱されています。ただしBusiness Starterで使えるのはGmailのGeminiとGeminiアプリでのチャットで、ドキュメントやスプレッドシートのGeminiはBusiness Standard以上です。画像・動画生成などは別の有料オプションです。


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