LINE運用の総額を棚卸しする。TCOの記入表と改善判断
LINEの運用費は、公式アカウントの請求、外部ツール、制作会社、開発会社、自社スタッフの作業に分かれます。総保有コスト(TCO)を確認するときは、同じ期間に必要な支出と作業を一つの表へ集めます。
目的は、単に合計を小さくすることではありません。必要な業務や成果を維持しながら、使っていない契約、重複作業、改善できる配信を見つけるために使います。
現金支出と社内作業を分けて記入する
| 項目 | 初期費用 | 月額固定 | 月額変動 | 含まれる範囲・確認先 |
|---|---|---|---|---|
| LINE公式アカウント | __円 | __円 | __円 | 基本プラン、追加配信、オプション |
| 外部ツール | __円 | __円 | __円 | アカウント数、機能、利用量 |
| 制作・運用代行 | __円 | __円 | __円 | 配信、画像、会議、有人対応 |
| 開発・移行 | __円 | — | __円 | 機能、移行、追加改修 |
| サーバー・保守 | __円 | __円 | __円 | 監視、保存、調査、改修 |
| 終了・引き継ぎ | __円 | — | — | データ出力、引き継ぎ作業 |
| 社内作業の評価額 | — | __円 | __円 | 時間×社内の比較用単価 |
「保守にサーバー費を含む」「構築費に操作説明を含む」といった条件は同じ行に記載し、別の行へ二重計上しないようにします。初期費用を支出した年に計上する方法と、比較用に利用月数へ配分する方法も混ぜません。会計上の処理とは別の、導入判断用の比較表です。
LINEの固定費・配信費は公式料金表を基準にし、2026年10月以降は追加料金の改定を反映します。公式料金表、料金改定の告知
架空の1年間を計算する
次は費用の集め方を示す例です。税込・税別を混ぜないよう外部支出は税別とし、社内作業は比較用の評価額として別表示します。市場相場や当社の標準プランではありません。各月同額で、追加改修や終了費用は発生しない仮定です。
| 項目 | 仮の金額 | 12か月での計上額 |
|---|---|---|
| 初期制作・設定 | 300,000円 | 300,000円 |
| LINE利用 | 月5,000円 | 60,000円 |
| ツール利用 | 月20,000円 | 240,000円 |
| 運用代行 | 月40,000円 | 480,000円 |
| サーバー・保守 | 月15,000円 | 180,000円 |
| 外部への支出合計 | — | 1,260,000円 |
| 社内作業 | 月10時間×2,500円 | 300,000円相当 |
| 社内作業を含む比較額 | — | 1,560,000円相当 |
LINEの月5,000円だけを年間化すると60,000円ですが、この例の全体支出は1,260,000円です。社内の時間を含む評価額とは区別して報告します。既存の人員が作業をする場合、評価額の減少がそのまま現金支出の削減になるとは限りません。
成果一件あたり費用の分母を揃える
配信経由で確認できた申込が年間240件と仮定すると、外部支出1,260,000円を割った値は1件5,250円です。ただし、この申込がすべてLINE施策による純増とは限りません。元々申込予定だった人も含むため、この値だけで投資回収を証明することはできません。
受付、問い合わせ対応、既存顧客への案内など複数の目的がある場合、すべての費用を新規申込だけへ割り当てると評価が歪むこともあります。目的別に配分できる費用は分け、配分できない共通費は共通費として残します。
| 指標 | 先に決める定義 |
|---|---|
| 申込一件あたり費用 | 申込完了か、来店完了か。取消を除くか |
| 問い合わせの削減 | 比較期間、同じ質問の範囲、繁閑差 |
| 社内時間の変化 | 対象作業、計測方法、担当者 |
| 配信経由の成果 | 計測できる経路と、計測できないもの |
大きい費用から、役割を確認する
追加配信が大きければ対象・頻度、ツール代が大きければ実際の利用機能、代行費が大きければ定型作業と判断業務の内訳を確認します。保守費が大きい場合も、不要と判断する前に、何の障害や変更へ対応しているかを調べます。
| 見つかった状態 | 比較する案 | 減らした後に確認すること |
|---|---|---|
| 同じ情報を全員へ反復配信 | 対象と頻度の見直し | 必要な案内・成果が減らないか |
| ツールの一部機能しか使わない | プラン・標準機能・移行 | 解約条件、設定の再現性 |
| 手作業の転記が多い | 連携、自動化、業務変更 | 例外処理と保守費 |
| 使っていないBotが残る | 停止・保管・契約整理 | 必要データと依存する処理 |
過去の費用と、これからの費用を分ける
継続か移行かを判断する場合、すでに払った開発費を再び将来費用へ足しません。今後の改修・運用と、移行する場合の初期費用・並行期間・残る作業を比べます。具体的な計算はツールと自前開発の比較、自前から戻す場合は移行の判断基準で整理しています。
棚卸しは年一回だけに固定せず、大きな料金改定、運用担当の変更、店舗展開の前にも更新します。未確認の金額を0円で埋めず、「要見積もり」と書き、誰が確認するかを決めてください。
よくある質問
社内人件費も支出合計に足しますか?
比較には含められますが、外部への支出と社内時間の評価額は別に示します。時間が減っても、給与などの現金支出が同じ額だけ減るとは限りません。
初期費用と毎年の費用はどう並べますか?
初年度の支出を見るなら初期費用を一度計上します。利用期間で配分する比較を行うなら、その仮定を明示し、初期費用と配分額を二重に足さないようにします。
申込一件あたり費用が低ければ成功ですか?
その数値だけでは判断できません。申込の定義、取消、純増かどうか、受付や既存顧客支援など他の目的を確認し、費用と成果の範囲を揃えます。
この記事に関連するサービス
LINE運用の支出と社内作業を棚卸しし、配信・ツール・連携開発の見直し案を比較します。
出典・参照
- LINE公式アカウントの料金プラン (2026年9月8日確認)
- LINE公式アカウント:追加メッセージ料金改定のお知らせ (2026年9月8日確認)