Claude Enterpriseとは。Claude Teamとの違い、料金の仕組み(席料+API従量)、管理機能と導入手順2026

Claude Enterpriseとは。Claude Teamとの違い、料金の仕組み(席料+API従量)、管理機能と導入手順2026

Claude Enterpriseは、AnthropicのAIアシスタント「Claude」を組織で使うための最上位プランです。検索数は前年から大きく伸びていますが、料金の仕組みが変わり、席料と利用量の二本立てになったうえ、20席から自分で申し込めるようになりました。以前の解説がそのまま通用しない部分があります。

本記事では、2026年10月5日にAnthropicの公式ページで確認した情報をもとに、Claude Enterpriseで何ができるか、Claude Teamとどこが違うか、料金はどう決まるか、どんな会社がどちらを選ぶべきかを整理します。他社の法人プランとの比較は『法人向け生成AIプラン比較2026』にまとめています。

この記事の要点

  • Claudeのプランは Free/Pro/Max(個人向け)と Team/Enterprise(法人向け)の5つです。法人向け2プランは、入力を既定でモデルの学習に使いません
  • Claude Teamは2〜150席、標準席が年払いで月20ドル(月払い25ドル)、プレミアム席が年払いで月100ドル(月払い125ドル)で、利用量は席料に含まれます
  • Claude Enterpriseは席料が年払いで月20ドルですが、席料に利用量は含まれず、すべてAPIの標準料金で別に請求されます。自分で申込む場合は20席から、営業経由は50席からです
  • Enterpriseだけの機能は、SCIM、監査ログ、Compliance API、独自の保持期間設定、細かな権限管理、IP制限です。入退社の多い会社や、監査対応が必要な会社はEnterpriseが前提になります
  • 判断の目安は「人数」より「統制の要件」と「利用量の偏り」です。統制の要件がなく、利用量が読めるならTeam、統制が必要で利用量に偏りがあるならEnterpriseです

Claude Enterpriseとは

Claude Enterpriseは、Claudeのチャット(claude.ai)、Claude Code、各種コネクタを、会社の管理下で全社員に配るためのプランです。個人向けのPro・Maxと同じClaudeのモデルを使いながら、アカウント管理、ログ、データ保持、アクセス制御を会社側で統制できる点が違います。

Claudeのプラン構成は次のとおりです(2026年10月5日確認)。

プラン対象料金(1ユーザー・月)学習利用
Free個人無料設定で選択(オンにすると学習に使われる)
Pro個人年払い17ドル/月払い20ドル同上
Max個人100ドルから同上
Team法人(2〜150席)標準席 年払い20ドル/月払い25ドル、プレミアム席 年払い100ドル/月払い125ドル既定で使わない
Enterprise法人(20席から)席料 年払い20ドル+利用量をAPI料金で従量課金既定で使わない

個人向けプランの扱いは2025年に変わりました。Anthropicの公表では、Free・Pro・Maxは利用者が設定をオンにした場合に会話がモデルの改善に使われ、その場合の保持期間は5年、オフの場合は30日です。この変更は商用規約のサービス(Team・Enterprise・API)には適用されません。社員が個人のProアカウントで業務をしている場合、設定次第で会話が学習に使われうるということで、これがシャドーAIの問題につながります。

Claude TeamとClaude Enterpriseの違い

公式の比較ページとヘルプ記事をもとに、両プランの違いを並べます。

項目Claude TeamClaude Enterprise
席数2〜150席自分で申込みは20席から、営業経由は50席から。上限なし
料金標準席 年払い20ドル、プレミアム席 年払い100ドル。利用量込み席料 年払い20ドル。利用量はAPI標準料金で別途
利用量標準席はProの1.25倍、プレミアム席は6.25倍。週ごとの上限あり利用した分だけ従量課金
学習利用既定で使わない既定で使わない
SSO・ドメインキャプチャ○○
SCIM(アカウントの自動追加・削除)×○
監査ログ・Compliance API×○
独自の保持期間設定×○(最短30日)
権限管理基本的なロール細かなロールベース権限管理(RBAC)
IP制限・ネットワーク単位のアクセス制御×○
Claude Code含む含む
HIPAA対応の構成×○

コンテキストウィンドウ(一度に読み込める文章量)は、公式ヘルプでは有料プラン全体で同じとされています。モデルのバージョンごとに決まっており、プランによる差はありません。古い資料に「Enterpriseは50万トークン」とあるのは、以前の情報です。

料金の仕組み:席料と従量課金の二本立て

Claude Enterpriseでいちばん誤解されやすいのが料金です。公式ヘルプでは、席料はプラットフォームへのアクセスのみをまかない、利用量は含まないと明記されています。利用量はすべてAPIの標準料金で請求されます。

つまり、総額は次の式で決まります。

年間総額 = 席料(20ドル × 席数 × 12か月)+ 利用量(APIの標準料金 × 実際の利用トークン)

この仕組みには利点と注意点があります。

  • 利点:あまり使わない社員にも、低い席料で公式の環境を配れます。全社員に配ってシャドーAIを減らしたい場合、全員にプレミアム席を買うより安く済むことがあります
  • 注意点:よく使う社員が多いほど、利用量の請求が増えます。長い文書の読み込みやClaude Codeでの開発は利用量が大きくなります。予算の上限管理(利用上限の設定)と、部門ごとの利用状況の把握が欠かせません

Teamのプレミアム席(年払いで月100ドル、利用量込み)とEnterpriseの総額は、利用量の分布で逆転します。少数のヘビーユーザーと多数のライトユーザーがいる会社ではEnterpriseが有利になりやすく、全員が同じ程度に使う会社ではTeamの定額のほうが読みやすくなります。PoCの段階で、部門ごとに1か月の利用量を測ってから試算するのが確実です。

データの扱い:学習利用・保持・保存場所

  • 学習利用:Anthropicのプライバシーセンターでは、商用製品の入力と出力を既定ではモデルの学習に使わないとしています。Team・EnterpriseとAPIが対象です
  • 保持期間:Enterpriseでは、組織の管理者(OwnerまたはPrimary Owner)が独自の保持期間を設定できます。最短は30日で、設定しない場合は無期限に保持されます。Teamでは独自の保持期間は設定できません
  • 保存場所:Anthropicの地域別コンプライアンスのページには日本を含む地域でのデータ保存が記載されていますが、これはAPIやクラウド事業者(Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI)経由の提供についての案内です。Claudeアプリ(Team・Enterprise)で日本に保存できるかは、確認した範囲の公式ページでは案内がありませんでした。日本での保存が契約上の要件になる場合は、営業窓口に確認してください
  • 第三者認証:公式ヘルプでは、ISO 27001:2022、ISO/IEC 42001:2023、SOC 2 Type I・Type IIの取得と、BAAを結べるHIPAA対応の構成を挙げています

日本での体制としては、Anthropicは2025年10月に東京オフィスを開設しています。円建ての請求については、確認した範囲の公式ページには記載がなく、料金ページの日本語版もドル表示でした。

TeamとEnterprise、どちらを選ぶか

人数だけで決めず、次の3点で判断します。

判断の観点Teamで足りるEnterpriseが必要
アカウント管理入退社が少なく、手動の追加・削除で回る入退社や異動が多く、人事システムやIDaaSと自動連携したい(SCIM)
監査・保持取引先や監査から利用記録の提出を求められていない利用記録の提出、保持期間の規定、IP制限が求められる
利用量全員が同程度に使い、定額で予算を固めたい利用量に大きな偏りがあり、ライトユーザーを安く配りたい

150席を超える場合はTeamでは収まらないため、Enterpriseか、他社の法人プランとの併用が前提になります。また、Microsoft 365やGoogle Workspaceを全社で使っている会社では、Claudeは文書作成・分析・開発に強い部門向けとし、全社はMicrosoft CopilotやGeminiで配る構成も検討に値します。

導入の手順

  1. 利用部門と人数を決める。シャドーAIの実態把握で、どの部門がどれだけ使っているかを先に集めると、席数と席種の見積もりが正確になります
  2. 入れてよいデータの区分を決める。法人プランでも入力は社外のサーバーに送信されます。社外送信が禁止されたデータは対象外とし、区分表を作ります
  3. プランを決めて申し込む。Teamは2席から、Enterpriseは20席から自分で申し込めます(Enterpriseの自分での申込みはドル建てのカードまたはACH払い)。50席以上は営業経由も選べます
  4. SSOとドメインキャプチャを設定する。会社のドメインのアカウントを組織に集め、個人アカウントでの業務利用を減らします。EnterpriseではSCIMも設定します
  5. 保持期間と利用上限を設定する(Enterprise)。保持期間は社内規程に合わせ、従量課金の予算上限を部門ごとに決めます
  6. 利用規程と研修を配る。入れてよい情報の線引き表、相談窓口、事故時の報告ルートをセットにします。規程の作り方は『社内生成AI利用規程のひな形2026』を参照してください
  7. 1か月後に利用状況を測る。部門ごとの利用量と、私用サービスへの接続の変化を確認し、席種や配布範囲を見直します

まとめ

  • Claude Enterpriseは、Claudeを会社の管理下で全社員に配るための最上位プランです。法人向けのTeam・Enterpriseは、入力を既定で学習に使いません
  • Teamは2〜150席で、標準席が年払いで月20ドル、プレミアム席が年払いで月100ドル、利用量は席料に含まれます
  • Enterpriseは席料が年払いで月20ドル(20席から)で、利用量はAPIの標準料金で別に請求されます。総額は利用量の分布で決まります
  • SCIM、監査ログ、Compliance API、独自の保持期間、細かな権限管理、IP制限はEnterpriseだけの機能です
  • 選び方は人数より、アカウント管理・監査と保持・利用量の偏りの3点で判断します

よくある質問

Q. Claude Enterpriseの料金はいくらですか?

2026年10月5日時点の公式ページでは、席料が年払いで1席月20ドル、最低20席です。席料には利用量が含まれず、利用量はすべてAPIの標準料金で別に請求されます。年間総額は、席数と実際の利用量で決まります。

Q. Claude TeamとClaude Enterpriseの違いは何ですか?

Teamは2〜150席で、利用量込みの定額(標準席 年払い20ドル、プレミアム席 年払い100ドル)です。Enterpriseは20席からで、席料に加えて利用量を従量課金します。SCIM、監査ログ、Compliance API、独自の保持期間設定、細かな権限管理、IP制限はEnterpriseだけの機能です。

Q. Claude Enterpriseは何席から契約できますか?

公式ヘルプでは、自分で申し込む場合は20席から、営業経由の場合は50席からです。上限はありません。

Q. Claude Enterpriseに入力した内容は学習に使われますか?

既定では使われません。Anthropicのプライバシーセンターでは、Team・Enterprise・APIなど商用製品の入力と出力を既定で学習に使わないとしています。個人向けのFree・Pro・Maxは、利用者の設定によって学習に使われる場合があります。

Q. Claude EnterpriseでClaude Codeは使えますか?

使えます。公式の料金ページでは、TeamとEnterpriseの席にClaude Codeが含まれています。ただしEnterpriseでは利用量がAPI料金で請求されるため、開発での利用が多い部門は利用量の上限を決めておくことをおすすめします。

Q. Claudeのデータを日本国内に保存できますか?

Anthropicの公式ページには日本を含む地域でのデータ保存が記載されていますが、これはAPIやクラウド事業者経由の提供向けの案内です。Claudeアプリ(Team・Enterprise)で日本に保存できるかは、2026年10月5日時点で確認した公式ページには記載がありませんでした。要件がある場合は営業窓口に確認してください。


この記事に関連するサービス

TodoONada株式会社では、シャドーAIの実態把握を起点にした企業向けの全社AI導入支援を行っています。法人プランの選定と統制の整備から、部門別の活用と研修、効果測定まで正しい順番で進めます。

  • 全社AI導入支援 — シャドーAIを含む現状診断から、ChatGPT・Claude・Copilot・Geminiの法人プラン選定、SSO・監査ログ・規程、部門別の活用と研修、定着まで。現状診断30万円〜(税別)
  • AIエージェント開発 — Claudeを使った社内文書検索や業務の自動化を、既存システムに組み込む受託開発
  • ローカルLLM導入支援 — 契約や法令で社外送信が禁止されたデータを扱う部門向けの、閉域で完結する構成

ご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。検討段階のご相談も歓迎です。

出典・参照

技術ブログ一覧へ戻る